思いやり予算増、5年で9465億円 労務費拡大553人分


この記事を書いた人 志良堂 仁

 【東京】政府は16日、2016年度から5年間の在日米軍駐留経費負担(思いやり予算)を定める特別協定について、日米間で合意したと発表した。日本側が支出する予算規模は5年間で約9465億円となった。毎年度の平均額は約1893億円で、現在水準の毎年度1881億円から増加し、日本側が負担する基地従業員の労務費の上限人数も現在の2万2625人から2万3178人に増えた。

 日米両政府は近く新協定に署名し、1月の通常国会に提出する。政府は思いやり予算について「在日米軍の安定的なプレゼンス(駐留)を支える役割を果たしており、引き続き重要だ」などと説明している。
 労務費は売店など福利厚生施設で働く従業員数の上限を4408人から3893人に削減した一方、米軍機整備や装備品の維持などに当たる従業員数を1万8217人から1万9285人に増やす。全体では553人増加することになる。
 米軍施設などで使う電気や水道代などの「光熱水料費」について、日本側の負担額上限を249億円に設定し、日本側の負担割合を72%から61%に引き下げた。提供施設整備費は「206億円を下回らないこととする」としている。
 規模について、最終年度となる2020年度の予算額が15年度予算と同規模の1899億円と設定し、政府は「現状の水準をおおむね維持する」(中谷元・防衛相)などと説明した。ただ、労務費が膨れ、予算規模は拡大する可能性もある。