与那国漁協、防衛予算でエビ養殖場 年間20億円を計画


この記事を書いた人 志良堂 仁

 【与那国】与那国町漁業協同組合(嵩西茂則組合長)が、防衛省予算を活用して新たなエビ養殖場の建設を計画していることが16日までに分かった。規模は約17ヘクタールで事業費は約35億円。年間の生産量千トン、売上高20億円を計画している。約1年半後の完成を目指し事業を進める考えだ。

 関係者によると、養殖するエビはバナメイエビで与那国島の東側の陸地に養殖場を整備する。アメリカの会社と技術提携し、屋内型の施設になるという。現在、事業費の3分の2の補助金適用を防衛省に申請しており、約1年後の着工を見込んでいる。
 一方で町内には町が約36億7千万円をかけて整備したクルマエビ養殖場が2000年から操業している。同漁協が運営管理を担ったが、経営不振で13年に別の民間会社に事業を委託した経緯がある。嵩西組合長は「今度の養殖事業は新技術を導入する。病原菌を遮断し生産効率も高く、採算性は見込める」と可能性の高さを強調した。
 島内では陸上自衛隊の配備が進んでいる中で、一度赤字となった事業に防衛予算を使って再び取り組むことに疑問の声も上がりそうだが、嵩西組合長は「陸自配備とは関係なく進めてきた計画。関連性はない。期待できる事業だ」と話した。