長濱、判定で新人王 全日本ボクシング


この記事を書いた人 Avatar photo 金城 潤
3回、ボディーを攻める長濱陸(左)=20日、東京・後楽園ホール(荒井良平撮影)

 ボクシングの第62回全日本新人王決定戦が20日、東京・後楽園ホールで行われ、ミドル級は東軍代表で長濱陸(那覇高出、白井・具志堅スポーツ)が西軍代表のロックハート・ブランドンシェーン(森岡)に判定2-0で勝利し、全日本新人王に輝いた。長濱は4戦3勝1分け。

 「とんとん拍子でここまで来て…。運にも恵まれたかな」。ミドル級の長濱陸は激戦を感じさせない、傷一つない顔でひょうひょうと答えた。本格的に競技を再開して1年2カ月。プロ4戦目、無敗のまま全日本新人王に駆け上った24歳は「世界チャンプになる」と夢を膨らませた。
 ボクサーとしては異例の経歴を持つ。那覇高2年で九州新人大会のBパートを制した。その後は競技を離れ、沖国大時代に「数カ月、ジムに通っただけ」だった。そんな長濱に転機が訪れたのは昨年。就職のために東京へ引っ越し、近所に白井・具志堅スポーツジムがあった。
 当時「体重が100キロ近くあった」という長濱。7月、ダイエット目的で入会した。サンドバッグをたたいていると「いいパンチをしているな」と褒められた。具志堅用高会長だった。プロの試合を見ていて「自分もいける」という自信もあった。10月にプロテスト受験を決意。体重もいつしかミドル級(72・575キロ以下)まで落ちていた。
 プロ初戦は引き分けたものの、2連勝で全日本新人王決勝まで上り詰めた。決勝もボディーを突き刺して冷静に相手の動きを止め、完勝を収めた。
 長濱は「経験不足で思い描いているボクシングが全然できなかった」と反省しつつも「パワーには自信がある。無敗をキープして上を目指したい」と思い描いた。(荒井良平)