外国人レンタカー事故急増 業界、ステッカーで対策強化


この記事を書いた人 志良堂 仁

 県内でレンタカーを利用する外国人の事故件数が、日本人利用者の約3倍に上ることが30日までに、県レンタカー協会(白石武博会長)のまとめで分かった。同協会によると、2014年度の外国人のレンタカー利用者が起こした交通事故は2901件で、日本人は約千件だった。14年度のレンタカーの外国人利用者数は13年度比約3.1倍の8万5323件と倍増している。今後も沖縄を訪れる外国人観光客は増加する見込みで、レンタカー業界は事故対策に力を入れている。

 同協会によると、外国人の事故件数は14年度からまとめ始めた。14年度の国別の利用者件数は台湾、韓国、香港の順で多い。台湾と韓国は日本とは反対の右側通行のため、交通ルールに不慣れな客が多い。
 台湾人観光客は本紙の取材に「対向車線に入ってしまった」「ワイパーとウインカーの位置が逆で慣れなかった」などと戸惑いをみせた。同協会によると、前方の車を追い越す際に左のサイドミラーなどが接触する事故が多い。
 同協会はことし8月から、外国人ドライバーが運転していることを示すステッカーを作成し日本人ドライバーに注意喚起と配慮を促している。また各事業者では運転ルールや県内の交通事故多発地帯などが記された冊子を中国語の繁体字と英語、韓国語に訳して利用客に配布している。OTSレンタカーでは各車に多言語対応のカーナビを導入。外国人スタッフも雇用し、客の出発前に運転に関する注意点を説明する。
 台湾ではほとんど車を運転しないという郭佩甄(かくはいけん)さん(41)は「台湾と違う運転席だったからすごく慣れなかった。交差点を右折後の道が何車線あるか見えづらく対抗車線に入った時もあった」と話した。
 同協会の伊佐清志専務理事は「外国人利用者の安全対策を進めたい。この取り組みが沖縄観光の発展にも寄与すると思う」と話した。(梅田正覚)

外国人ドライバーに対して日本の交通ルールや事故車両の写真を示すOTSレンタカーの担当者=2015年12月25日、豊見城市
日本の交通ルールに不慣れな外国人がレンタカーを運転していることを示すステッカー