子どもの居場所、深夜まで開所も 貧困対策、支援員を配置


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 政府が2016年度予算案として10億円を計上した「沖縄子どもの貧困緊急対策事業」は、「見えにくい」とされる子どもの貧困を把握し、必要な支援につなげるため(1)貧困対策支援員の配置(2)子どもが安心して過ごせる居場所の運営支援-を柱としている。支援員は各自治体に配置、子どもの居場所は深夜までの開所も想定している。

 貧困対策支援員は、那覇市や沖縄市などの都市部では中学校区に1人程度を想定。市町村が配置し、県は研修を実施する。支援員は地域に出向いて子どもの状況を把握し、学校やNPOなどの関連機関と情報共有して、支援につなげる。
 居場所の運営支援は、県内の放課後児童クラブ(学童保育)の利用料が高く、貧困家庭の子どもが通えないという声を受けて、盛り込まれた。地域の実情に応じて、複数の中学校区に一つ程度を目安とする。
 運営主体はNPOや児童館、市民団体など幅広く想定。すでに運営している子ども食堂も対象になる。食事や学習支援などを提供する。親が夜間に働いている子どもの深夜徘徊(はいかい)を防ぐため夜間までの開所や、車での送り迎えも視野に入れている。
 県は年度ごとに成果を評価する。内閣府は1月中に市町村に対する説明会を開く予定。補助率10分の10の全額補助。12月25日に行われた内閣府沖縄振興局の説明会で、担当者は「多くの市町村に取り組んでもらいたい」と話した。
 この他に、ひとり親世帯の親の雇用拡大や雇用形態の安定に取り組む事業者向け貸付金利の優遇や、親の学び直し支援(教育ローン)の拡大も盛り込まれた。