上間小、2度入札ゼロ 校舎改築、完成遅れも


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 那覇市が2016年度中の完成を目指していた市立上間小学校と幼稚園の改築工事が、2度にわたり業者の応札がない「不調」に終わった。市教育委員会施設課は原因分析を進めつつ3度目の公告を実施する方針だが、完成時期は17年度に食い込む可能性が出ている。同課担当者は「児童の学習環境を良くするためにも、早期に工事が始まるよう努力したい」としている。

 同課によると上間小・幼稚園の校舎は1977年に建設。施設老朽化でコンクリート剥離などが生じ、耐震上問題があることから全面改築することになった。同課は2015年10月に一般入札を公告し同月末に入札を行ったが応札がなく、年明け4日に締め切った2度目の入札でも同様の結果に終わった。建築工事の不調を受け、7日に予定していた電気・空調・衛生工事の開札も中止した。
 2度目の入札で同課は、工事内容の変更に応じて予定価格(税抜き)を18億3200万円から21億2600万円に引き上げて工期も延長したが、入札に参加する業者はなかった。
 同課の担当者は「工期や技術者不足、金額の問題などがあるのだろうが、原因は分析したい」と説明した。
 市内の建設業関係者は「入札参加を考えていた業者によると市が提示した予定価格との差が大きく、参加を断念したという。設計に問題があるとの声も聞く」と指摘。「業界では型枠職人の人材が不足していて、数年前から取り合いになっている。そういう状況から不調に終わったのではないか」と分析した。
 改築工事では地上6階・地下1階建ての小学校舎と、地上2階建ての幼稚園舎を新築。共同調理場や水泳プール、学校・地域連携施設、児童クラブなども併設される予定で、15年11月から造成工事が始まっている。