「KOBE夢」児童、島田氏に思いはせ 島守の塔など訪問


この記事を書いた人 田盛 良一
島守の塔の前で平和を願い、オオゴマダラを放つ神戸の児童たち

 【糸満】神戸市内の児童養護施設の児童らが沖縄を旅する「笑顔と感動 KOBE夢・未来号・沖縄」の一行は最終日の10日、糸満市摩文仁にある島守の塔や平和の礎などを訪れた。島守の塔には沖縄戦中に県知事を務め、激戦の本島南部で消息を絶った神戸市出身の島田叡(あきら)氏らの名前が刻まれている。児童らは塔に向かって手を合わせ、郷土の偉人に思いをはせた。

 同事業はKOBE三宮・ひと街創り協議会が主催し、ことしで8回目。協議会が旅費などを負担した。
 島田氏について事前学習してきたという女子児童は「自分なりに思いを込めて塔を掃除した」と敬意を示した。ほかの児童は1泊2日の旅を振り返り、「沖縄の方言が印象に残った」などと感想を述べた。
 島田叡氏事跡顕彰期成会の嘉数昇明会長は「行政に頼らず、民間の力で将来につながる事業を継続するのはすごい。兵庫と沖縄が交流を積み重ね、沖縄の理解者が増えていくことを期待している」と話した。