新年は「第二の故郷」で ベアードさん伊江訪問、友との再会喜ぶ


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約1年振りの再会を喜ぶコーリー・ディビス・ベアードさん(左)と島袋満英さん=5日、伊江村中央公民館図書室

 【伊江】「『第二の故郷』で新年を迎える」とコーリー・ディビス・ベアードさん(25)が伊江島を訪れ、島の友人たちとの再会を喜び合った。2012年8月から2014年12月までの約2年4カ月間、伊江村内の幼・小・中学校で外国語指導助手を務めた。久しぶりの再会でふるさとのぬくもりを味わった。

 米国ミネソタ州出身で現在、東京大学大学院公共政策学教育部に在籍している。新年を迎えるに当たり迷わず、思い出が詰まった伊江島で過ごすと決め、当時世話になった住民の島袋満英さん(79)や多くの友人らの歓迎を受け「お帰り」「ただいま」と、あいさつを交わして約1年ぶりの再会を喜んだ。
 ベアードさんは昨年1月から8月まで、米国ワシントンDCにある日本大使館に勤務した。在職中、同大学院に合格し再来日した。昨年9月から将来の目標に向けて勉強に励む日々を送っている。勉強漬けでつらいとき、「伊江島に帰って友人に会える」との思いがベアードさんを支えたという。
 「一番会いたかった人」と言う島袋さん宅に滞在し、年末年始を一緒に過ごした。島袋さんを「おじいさん」と呼び、今では祖父と孫の間柄だ。
 ベアードさんは、家族同然にしてもらったという強い恩を持ち、大切な友達で、大の仲良しと島袋さんを慕う。島袋さんは「切っても切れない『腐れ縁の仲』だね。自然体で平等に人と接し、心が真っすぐな孫」と評する。
 2人の会話は英語と伊江島方言を交差させ、互いに先生と生徒になる。おやじギャグ連発の会話は笑いが絶えないが、「東京では受けない」とベアードさんは苦笑いする。6日には伊江中学校を訪れ近況を報告した。「英語や、勉強を精いっぱい頑張ってほしい」と生徒にエールを送った。
 ベアードさんは島袋さんや村民と再会を約束し、島を後にした。
(中川廣江通信員)