県内レンタカー「れ」ナンバー急普及 1年弱で1万間近


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 昨年2月に沖縄本島で始まったレンタカー用の「れ」ナンバーの交付数が1年近くで1万枚に迫り、増加する観光客の利用を背景に一気に普及している。沖縄総合事務局によると、2015年3月末のレンタカー登録台数は前年同期比16%増の2万8124台に急増。レンタカー需要の伸びが続くとともに、新規と抹消登録を頻繁に行うレンタカー業界の事情もナンバーの発行増に拍車を掛けている。

 県内のレンタカー車両数は2011年度まで2万~2万1千台で推移していたが、12年度は前年度より約3500台増え、14年度はさらに5千台近く増加するなど近年急増する傾向にある。10年前に比べると1万台の増加だ。また、14年度の車両数2万8124台のうち83・2%の2万3413台、事業者数492社のうち61・9%の305社が沖縄本島に集中している。
 本島の自動車登録を管轄する沖縄総合事務局陸運事務所で昨年2月5日、「れ」の平仮名文字が表示されたナンバープレートの交付が始まった。交付開始から1年近くが経過し、12日までの交付状況は9273枚に上っている。
 「れ」ナンバーの交付対象はレンタカーのうち、陸運支局名「沖縄」の後に続く分類番号が500番台(通称「5ナンバー」)の小型車。車に表示される4桁のナンバーは「1」から「99-99」まで順番に交付され、1万枚を超えると分類番号が「500」から「501」に移る。
 レンタカー用に割り当てられる「れ」と「わ」のナンバーは分類番号「508」まで使用できる。だが沖縄本島では、観光客の利用頻度が最も高いコンパクトカーなどを含む5ナンバーでは「わ」表示の番号を使い切ってしまい、北海道の「札幌ナンバー」に続いて全国2例目となる「れ」への移行となった。
 沖縄総合事務局は「レンタカーは夏場にピーク期となる。冬場のボトム期とのギャップに対応するため、新規・抹消登録を頻繁に行うことで台数を調整し、稼働率を一定に保っている」と業者の対応を説明。一度交付したナンバーは抹消後も再使用できないため、観光地特有の事情がナンバーの交付を押し上げていると指摘している。その上で「沖縄への入域観光客の増加に伴い、『れ』のナンバープレートの普及が急速に進むことが予想される」との見方を示した。(与那嶺松一郎)