11管内事故、10年で最多 観光客増、全体の半数


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 第11管区海上保安本部は12日、2015年に管内で発生した人身事故と船舶事故の発生状況(速報値)を発表した。いずれも過去10年間で最多となった。人身事故者は202人で14年より4人増えた。死亡・行方不明者は81人で前年より11人増えた。船舶事故隻数は113隻で前年より10隻増加した。マリンレジャーに伴う人身事故者92人のうち観光客が事故に遭うケースが多く、全体の約52%(48人)を占めた。シュノーケリング中に被害に遭う事例が最も多かった。観光客の増加が事故数を押し上げたとみられる。

 人身事故のうち最も多かったのがマリンレジャーに伴う事故で、死者・行方不明者は28人。事故のうち遊泳中が最多の54人と7割を占めた。年代別の死者数では50代(8人)と60代(7人)で半数を超えた。11管の担当者は「観光客の増加でマリンレジャーの事故が増えた。注意喚起を強化したい」と強調した。
 船舶事故は、プレジャーボートが40隻と最多で、次いで漁船が38隻だった。漁船とプレジャーボートなどの小型船舶で全体の7割を占めた。台風下における船舶事故は前年より2隻減って6隻だった。
 事故種別では衝突や乗り上げが多かったほか、浸水は過去5年間の平均値の約3倍だった。事故原因は、見張りが不十分だったことや操縦が不適切だったことなど人為的な要因に起因するものが79隻と全体の7割を占めた。
 11管本部は漁船に「船舶自動識別装置(AIS)」の設置普及促進に努めるほか、台風襲来時の係留対策強化などを進める。担当者は「危機感を持って対応したい」と話した。