慢性腎臓病の知識深める 浦添で県民講座


この記事を書いた人 志良堂 仁
慢性腎臓病について講演する佐久田朝功医師=17日、浦添市の国立劇場おきなわ

 「慢性腎臓病(CKD)を知る県民講座」(主催・県腎臓病協議会、共催・琉球新報社、全国腎臓病協議会)が17日、浦添市の国立劇場おきなわで開催された。さくだ内科クリニック(浦添市経塚)の佐久田朝功院長が基調講演し、CKDを患うまでの仕組みや肥満や高血圧などの生活習慣病との関連性を分かりやすく解説した。後半は佐久田院長、那覇市保健所の仲宗根正参事、県腎臓病協議会の伊藝幸榮会長が登壇して討議し、来場者約100人(主催者発表)とCKD対策について考えを深めた。

 佐久田院長は「生活習慣病としての腎臓病」と題して講演し、腎臓の機能や役割を図解で説明した。「腎臓は血液中の老廃物を尿につめて捨てる、こし器の役割がある。栄養素のタンパク質は本来、尿に含まれていることはない。検査でタンパク質が検出されることは腎臓に異常が起きているということだ」と話し、健診の重要性を訴えた。
 健診で異常値が示されても自覚症状がないため放置する患者がいることも問題視した。「症状に気付いた時には手遅れの事例もある。自覚症状がなくても健診結果を受け、すぐに手を打つ必要がある」と強調した。
 仲宗根参事は那覇市国民健康保険の人工透析患者の推移に触れた。2014年に454人と5年で1・4倍になっていると示し、財政負担増を指摘した。