県内2千円札流通500万枚超 15年は01年の3.2倍


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 2000年の沖縄サミットを記念して発行された2千円札の県内流通量が、県外とは対照的に拡大基調を続けている。2015年11月には、県内で流通している2千円札が初めて500万枚(100億)を突破し、最も流通量が少なかった01年4月(約157万枚)と比べ約3・2倍に増加した。流通量は右肩上がりで増えており、毎月、最多記録を更新している状態だ。

 日本円を製造する国立印刷局によると、2千円札は2000年に約7億7千万枚(約1兆5400億円)を製造。その後03年に追加で、約1億1千万枚(約2200億円)を製造した。
 一方、日本銀行によると、2千円札の国内での流通量は04年10月の5億900万枚(1兆180億円)をピークに減少に転じており、11年ごろからは1億枚(約2千億円)前後で推移している。14年3月には初めて1億枚を割り込んだ。15年11月時点の2千円札の流通量は9865万枚(1973億円)で、残りは日銀の金庫に保管されている。
 2千円札の流通量が増加傾向にあることについて、日銀那覇支店は「守礼門がデザインされ、『平和希求紙幣』として、県や企業が一体となって2千円札の普及活動に取り組んだことが一番の要因ではないか」と指摘した。
 県内地銀3行によると、現在、各行本店や支店内に設置されている現金自動預払機(ATM)では、2千円札の入金や出し入れが可能で、商業施設などに設置されているATMの一部でも入金や出し入れが可能となっている。
 2千円札の普及啓発活動に取り組む県観光振興課は毎年1月に東京で開催される沖縄ナイトでは両替機を設置し、2千円札の使用を呼び掛けている。同課の担当者は「今後も県民の方に2千円札を使ってもらい、沖縄のイメージアップを図っていきたい」と話した。(吉田健一)