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幸運重なり人命救助 川上さんら意識ない男性に対処

表彰を受けた池原丈博さん(左から2人目)、川上裕道さん(同3人目)、川上晴美さん(同4人目)=6日、金武町立公民館

 【恩納】複数の要素が偶然重なり、心肺停止の30代男性の命が救われた。昨年8月28日、国道58号恩納村コミュニティーセンター前で停止していた車内の男性を対向車の夫婦が発見し、居合わせた同乗の看護師が応急処置、男性は意識を取り戻した。センターにはその約半年前に自動体外式除細動器(AED)が設置されたばかりだった。今月6日の金武地区消防衛生組合の消防出初め式で、救命に関わった人が表彰された。

 表彰を受けたのは北中城村に住む川上裕道さん(49)=基地従業員=と妻の晴美さん(58)=主婦、2人のダイビング仲間で千葉県から訪れていた西山加奈子さん(32)=看護師、恩納村の池原丈博さん(47)=同センター職員=の4人。
 西山さんは本来ハワイに行く予定だったが、同行の友人の都合がつかず、行き先を沖縄に変更していた。
 もともと裕道さんは運転しながら対向車を見る癖があったという。停止していた車内に男性がいたことに気付いたのも裕道さんだった。念のために引き返して男性の様子を確認した。ただ寝ているようにも見えたが、看護師の西山さんの目にはすぐに危ない状況だと分かった。
 幸運にも車の鍵が開いていたため、車内で西山さんが心臓マッサージをしている間に、晴美さんが救急車を呼んだ。裕道さんはセンターにAEDを探しに急ぎ、池原さんと共に戻った。
 西山さんの懸命の心臓マッサージとAED使用で、男性は意識を取り戻した。しかし、事態を全く飲み込めない男性は「大丈夫です」と立ち上がろうとしたというが、西山さんは「心臓が止まっていた。起き上がらないで!」と愛ある一喝。男性は駆け付けた救急隊員によって病院に搬送された。
 西山さんは「全てが奇跡だった。医療設備のない場所での処置は緊張した」と振り返った。



琉球新報