【東京】防衛省は26日、今月31日に航空自衛隊那覇基地で第9航空団を新編成すると決定した。築城基地(福岡県)から空自戦闘機部隊の1飛行隊のF15戦闘機20機を移動させ、那覇基地の第83航空隊を第9航空団として新編成する。部隊の新編に伴い那覇基地は既存のF15と合わせて40機体制となるほか、人員も現在より約300人増える。戦闘機数が現在より倍増するため、空の便で沖縄を訪れる観光客や周辺住民への影響も懸念される。
併せて陸上自衛隊与那国駐屯地の新設を3月28日とすることも決めた。中谷元・防衛相は26日の閣議後会見で「いずれも南西防衛体制の強化を目に見える形で示すものだ」と強調した。
那覇基地における空自の緊急発進(スクランブル)の回数は近年増加傾向にあり、防衛省は第9航空団の新編によって南西諸島の防空体制を強化する考えだ。中谷防衛相は31日の部隊新編式に合わせて来県する方向で調整している。
一方、滑走路1本で民間機と自衛隊機が併存する那覇空港では、自衛隊機のトラブルで滑走路が一時封鎖される事態がたびたび起きている。自衛隊機の離着陸で民間機が待機する場面もあり、空港利用機数の増加は観光客の足である民間機にも影響が予想される。
昨年6月には離陸のために滑走していた民間機の前を空自ヘリが管制官の指示を受けずに横切る事態も発生。過密な運航状況の中で戦闘機を倍増させることに対し、観光業界からも懸念の声が高まっている。
与那国駐屯地には陸上自衛隊の沿岸監視部隊が配備される予定で、駐屯地の造成工事が進められている。
英文へ→Concerns of congestion at Naha Airport arise from doubled number of F15s at JASDF Naha Air Base