国内地震、16%は沖縄 那覇で防災フォーラム


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地震への備えについて意見を交わしたパネリストら=27日、那覇市のパレット市民劇場

 「防災・地震フォーラムin那覇 東日本大震災からまもなく5年、地震への備えを考える」(時事通信社主催)が27日、那覇市のパレット市民劇場であった。琉球大学理学部教授の中村衛さんと那覇市市民防災室長の金城竜人さん、イラストレーターで元被災地ボランティア団体スタッフの山田光さん、県損害保険代理業協会副会長の下地正樹さんが「地震への備え」について討議した。142人(主催者発表)が来場し、地震と津波が沖縄で起きることを想定した上で、防災教育の普及や地震保険の加入で災害に備える重要性について意見を交わした。

 中村さんは「沖縄県の地震と津波のリスク」という演題で基調講演した。時事通信社解説委員の中川和之さんが討議のコーディネーターを務めた。中村さんは基調講演で「日本で起こる地震の16%が沖縄県で起きている」と現状を解説した。数百年に1度、巨大津波が発生して沖縄にも多大な被害をもたらし、島の四方から津波が押し寄せる恐れも指摘した。
 金城さんは那覇市の浸水被害予測で5メートルに達する地域があることなどを紹介し、「緊急一時避難施設など、住んでいる足元の避難場所を把握することが自分自身や家族の命を守ることにつながる。子どもへの防災教育も重要だ」と来場者に呼び掛けた。
 山田さんは被災地における仮設トイレの利用などで、被災者が長時間並ぶ事例などに触れた。「本土は寒さの中で並ぶことも多いが、沖縄では雨や炎天下の中で並ぶかもしれない」と避難生活の死角にも注意するよう指摘した。
 下地さんは「地震による火災は通常の火災保険でカバーされない。地震保険にぜひ加入してほしい」と強調した。