いのちの電話 相談8.8%減 平均相談時間は増


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 自殺を考えている人の相談を電話で受け付ける「沖縄いのちの電話」の事務局は31日までに、2015年の利用状況をまとめた。相談件数は前年比8・8%減の1万194件だった一方、自殺志向者に対する平均相談時間は8分伸びて1件当たり29分だった。事務局は「相談員が丁寧に話を聞いた結果だ」と分析した。

 自殺を考えたり、道具を買って具体的に計画したりしている「自殺志向者」からの相談は1667件で、全体の16・4%を占めた。男女別では女性が1009件、男性が658件で、女性が多かった。
 自殺志向者の相談内容は、うつ病などの精神疾患が最も多かった。精神疾患は見られないものの、生きていることに悲観的になっている人からの人生相談も多かった。相談者は30~50代が多かった。
 自殺志向者以外の平均相談時間は17分で、自殺志向者より12分短い。相談員は自殺志向者の話を長く聞くため、それ以外の電話を短くして回線を空ける努力をしているという。
 渡久山朝裕運営委員は「自殺志向者の相談時間を長くするよう心掛けた結果、全体の件数は減っている」と相談員の努力を強調した。「19歳以下と60歳以上の相談件数が少なく、広報が課題だ」と話した。