玄米で肥満、糖尿病を改善 有効成分を飲み物に


この記事を書いた人 志良堂 仁
「玄米オリザーノ」を紹介する(左から)会津天宝醸造の金本淳一部長、琉球大医学部の益崎裕章教授、県健康づくり財団の金城幸善会長=3日、西原町の琉球大医学部

 玄米に含まれる成分「γ(ガンマ)オリザノール」の肥満や糖尿病の改善効果について研究している琉球大医学部の益崎裕章教授らの研究成果が実用化され、玄米発酵飲料「玄米オリザーノ」として販売されている。臨床試験も済ませ、食欲抑制効果のある善玉菌の増加など、マウスでの実験同様に人にも効果があることを確認した。

 玄米オリザーノは2013~15年に琉大と福島県ハイテクプラザ、会津天宝醸造の産官学共同研究で開発。臨床試験には沖縄県健康づくり財団(金城幸善会長)が協力した。
 同財団で健診を受けた人で食生活の改善が必要なメタボリック症候群の人に、玄米発酵飲料と、それと比べるための飲料(白米の甘酒)をそれぞれ1カ月ずつ飲んでもらい、比較した。
 その結果、玄米発酵飲料の摂取後は間食回数の減少やファストフードを好まなくなるなど変化があった。脳に働き掛け食欲を低下させる効果のある酢酸が血液中で増え、腸内細菌類でも酢酸をつくる善玉菌が増加したことも確認された。
 益崎教授は「今回は比較的軽症の人が対象だったが、今後は病気の発症者にも長期間使ってもらい結果を見たい」と話した。
 商品は会津産玄米を原料とした甘酒で、砂糖を使わないノンアルコールタイプ。農林水産省の本年度「フード・アクション・ニッポン・アワード」で優秀賞を受けた。価格は5個セットで3350円。問い合わせは会津天宝(電話)(0120)340142(平日午前8時半~午後5時)