宮古島沖に海底火山地形 海保確認、南西諸島で初


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詳細な海底火山地形が確認された第3宮古海丘の画像。中央の火口から手前方向に溶岩流が流れた形跡がある

 海上保安庁は3日、宮古島北方約120キロの海底に存在する第3宮古海丘に海底火山地形を発見したと発表した。海上保安庁海洋情報部海洋調査課によると、詳細な海底火山地形が確認されたのは南西諸島海域では初めてだという。火山の活動を示す痕跡は確認されておらず、水深が深いことから仮に噴火しても海面への影響はほとんどないとみられる。海保では今後、岩石などを採取して分析する方針だ。

 宮古第3海丘は、1976年に海保の測量船により海底に隆起があるのが発見されていた。2015年7月と11月に、測量船「拓洋」と自律型潜水調査機器(AUV)「ごんどう」を使い海底地形を調査。直径800メートル、高さ150メートルの中央火口丘やカルデラ地形が発見されたほか、約1・46平方キロにわたる溶岩流の様子も詳細に確認された。
 南西諸島海域では、西表島北北東約20キロの沖合で海底火山が噴火した例や鹿児島県の薩摩硫黄島の東方海上で海底噴火により喜界カルデラ新硫黄島ができた例がある。だが、詳細な海底火山地形の確認は初めてだという。同課は「今回の調査結果が海底火山活動の解明のために役立つかもしれない」と期待を寄せている。