教育費、入学年度は年収の6割 離島7割 沖縄公庫融資


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 大城 誠二

 沖縄振興開発金融公庫は4日、2014年度の教育資金融資の県内の利用実態をまとめた。教育費のうち入学金や家賃など入学した1年間に必要な費用(入学費)が県内平均で世帯年収の59・9%、離島は70・9%と、年収に占める教育費の負担割合が高い実情が浮き彫りになった。さらに年収200万円未満の教育費の負担割合は、県内平均110・3%、離島は129・3%と、年収を超えて教育費を負担している状態であることが分かった。公庫の担当者は「本土と沖縄の経済格差がある中で、沖縄の教育費の負担割合はかなり高く大変な結果となっている」と分析した。

 教育資金融資の対象は高校生以上。県内の数値は、14年度の沖縄公庫教育資金を利用した2044件(うち離島433件)を対象にまとめた。
 子どもを大学に進学させた利用者の世帯年収平均は県全体が415・5万円で離島は365・4万円だった。一方、日本政策金融公庫のネットによるアンケート調査によると、全国で子どもを国公立の大学に進学させた利用者の世帯年収平均は880・9万円で、沖縄と2倍以上の差があった。
 世帯年収に占める教育費の負担割合(入学時)は、「80%以上」が県内平均22・7%、離島29・7%と高かった。在学時の負担割合「80%以上」は県内平均16・3%、離島22・7%と高い水準を示した。また、学生1人当たりの入学費用のうち「住居費」は県内平均が26・6%だったのに比べ、離島は44・9%と18・3ポイント高く離島居住者の教育費に対する負担はさらに重くなっている状態だ。
 同公庫は「全国と比較してかなり大きな落差もある。沖縄の経済構造は簡単に払拭(ふっしょく)できないので、無利子や返済義務のない給付型奨学金など手厚い支援が必要になってくる」と話した。