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八重瀬岳手術壕、ヌヌマチガマ 白梅植え戦禍継承

 【八重瀬】八重瀬町風景ネットワーク(山内平三郎会長)は1月31日、沖縄戦で第24師団第一野戦病院壕として使用された八重瀬岳の手術壕、野戦病院分院として使用されたヌヌマチガマに、両壕へ動員された白梅学徒隊のシンボルである白梅の木を植樹した。戦後70年が経過した今、沖縄戦の記憶を風化させず、後世に伝えることが目的。


白梅の植樹を行った八重瀬町風景ネットワークの山内平三郎会長(右端)と、立ち会った武村豊さん(左から2人目)=1月31日、八重瀬町富盛の八重瀬岳

 2015年度かいぎん環境貢献基金を活用し、リンショウバイを手術壕前とヌヌマチガマ駐車場に15本ずつ植樹した。同ネットワークは15年11月には、テッポウユリ千株近くを手術壕前に植え付けた。12月に手術壕入り口を覆っていた木々を切り払い、平和学習で壕を見学しやすいよう整備した。
 植樹には、実際に手術壕に動員された元白梅学徒隊の武村豊さん(87)ら県立第二高等女学校の同窓生も立ち会った。16歳で沖縄戦に動員された武村さんは当時の手術壕の様子を振り返り、「壕の中は負傷兵の『早く手術してくれ』という声や血やうみの臭いであふれ、シラミやうじもいっぱいいた。地獄のようだった」と顔をしかめた。「あのむごい戦争を決して再び繰り返してはいけないと、(記憶を)次世代に残したい」と切々と語った。
 白梅の植樹に、武村さんは「桜まつりなどで八重瀬岳を訪れる人に、白梅を目印に壕にも関心を持って見てもらえれば、ここで亡くなった人も喜んでくれるだろう」と感謝を述べた。
 山内会長は「八重瀬町は戦争遺跡が多く残っている地域。(多くの人が)平和学習の現場として訪れてくれれば」と期待した。



琉球新報