地中熱を冷房に活用 県、温室ガス減へ実証実験


この記事を書いた人 田盛 良一

 県環境部は4月以降、地中との温度差を利用して空気を冷やし、空調設備の省エネを進めるモデル事業を県内で始める。地中の温度は年間を通しほぼ一定で、年平均気温に近いとされている。地中熱利用システムは県外では冬場の暖房や雪を溶かす設備を中心に普及している。冷房を使う期間が長い沖縄では逆に地中の冷たさを夏場に利用することで、温室効果ガスの排出を3割削減する効果が見込めるという。

 県は2016年度当初予算案に、地中の温度を調べる掘削や人材育成などで2731万円を計上。講習会などを通し、設計や設置を担う事業者を育成する。さらに実証実験を通し、沖縄での効果を検証する。
 一般的な地中熱利用システムは地中100メートルほどまで掘ってチューブを埋め、液体を循環させて熱を放出する。県外で住宅や事業所のほか、東京スカイツリーなどでも利用されている。