クルーズ船、那覇港に85隻寄港できず 15~17年、岸壁不足で


この記事を書いた人 田盛 良一
大型クルーズ船3隻が初めて同時寄港した那覇港=2015年7月28日

 2015~17年に那覇港に寄港できないクルーズ船が計85件に上ることが9日、分かった。同日開会した那覇港管理組合(管理者・翁長雄志知事)の2月定例会の一般質問への答弁。昨年8月の段階では3年間で計43件という発表だったが、17年の寄港予約が本格化するのに伴い、岸壁が足りずに寄港を受け入れられない件数が同年だけで47件に上った。

 那覇港管理組合はクルーズ船の受け入れを拡充するため、若狭ターミナルに続くクルーズ船専用岸壁(第2バース)の位置を本年度中に決める。整備に向けた調査事業費などを盛り込んだ予算規模50億4237万円の16年度一般会計予算案を議会に提案した。一方で、那覇港浦添ふ頭地区の開発計画の見直しをめぐる調整遅れに反発する浦添市は「浦添ふ頭計画の協議が棚上げされる懸念がある」(野口広行副市長)として、第2バース調査事業に関する一部負担金700万円を市の16年度当初予算案では計上を見送る方針をあらためて示した。今後の浦添市の対応次第では、管理組合予算が「歳入欠陥」になる可能性もある。
 組合議会では第2バース整備の工程に遅れが出ることを危ぶみ、管理組合と浦添市の間の協議の早期収拾を促す意見が相次いだ。金城勉副管理者は「組合予算の計上は浦添市から異存ないと事前に了解を得ている。ただ、執行については協議で合意が得られた後にという条件が付けられており、早急に協議し合意を得たい」と対応を述べた。
 那覇港へのクルーズ船寄港件数は15年が115件と過去最高を記録し、さらにことしは176回が予定されている。これに対し、岸壁が足りずに接岸を回避したのが15年は8件、16年は30件、17年は47件となっている。又吉健太郎議員(浦添市議)への答弁。