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3万年前の航海再現へ 国立科学博物館、草舟で与那国-西表

 【東京】日本人の祖先の一部は約3万年前に台湾から沖縄に舟かいかだで渡った可能性が高いとして、国立科学博物館の海部陽介人類史研究グループ長らは9日、当時の航海を再現し調査する計画を発表した。今夏は与那国島―西表島の海を渡り、2017年夏に台湾―与那国島の航海に挑戦する。海部氏は「人類がどうやって海に向かったか、海洋進出の歴史を探る上で、琉球列島への渡海は難易度が高く重要だ」と述べた。

 総費用5千万円のうち今夏必要な2千万円を同館として初めて、一般から寄付を募るクラウドファンディングで集める。
 海部氏は人類がアフリカから大陸を経て日本に移ったルートを北(サハリン―北海道)、西(朝鮮半島―九州)、南(台湾―沖縄)の3方から海を越えて来たと仮説を立てる。中でも3万年前の遺跡がある沖縄に注目。「黒潮の強い潮流を横断せねばならず、最も困難な航海と推測される沖縄ルートを実際に航海し、祖先たちが挑んだ困難を体験して検証する」と述べた。
 すでに研究者や海洋探検家など26人がプロジェクトに参加。県内からは県立博物館・美術館の片桐千亜紀主任学芸員と与那国町の小池康仁さんらが加わる。
 昨年は与那国島で3万年前の人類が使った舟を検証。丸木舟は木をくりぬくおのが沖縄の遺跡で見つかっていないことから除外し、竹をつないだいかだか、草で造る草舟に絞り込んだ。人類の移動史や植物資源調査などの研究を進め、いまだ見つかっていない旧石器時代の舟を探求する。
 4月12日までネット上で資金を集める。ウェブサイトはhttps://readyfor.jp/projects/koukai



琉球新報