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国、移転先外も防音 米軍砲撃騒音対策 沖縄と二重基準

 【名護】沖縄で実施されてきた米軍実弾砲撃演習の県外移転を機に、防衛省が移転先に実施した住宅防音工事について、県内では一切適用していないにもかかわらず、県外では移転先以外の5演習場の周辺住宅にも騒音調査を実施した上で防音工事の対象にしていたことが分かった。県内では騒音調査すら実施していない。沖縄防衛局は名護市への回答で、県内で防音工事の適用を判断するための騒音調査が実施されていないことについて「(移転先の演習場と)同等の騒音状況が生じていると想定されなかったことから、騒音度調査を行わなかったところだ」と説明している。

 名護市のキャンプ・シュワブなど県内の演習場周辺でも騒音被害が頻発しており、県内での騒音調査の未実施は結果的に沖縄県と県外で二重基準を生じさせていることを浮き彫りにした。
 名護市の照会や琉球新報の質問に沖縄防衛局が答えた。
 それによると、防音工事は1996年のSACO(日米特別行動委員会)最終報告に基づく155ミリりゅう弾砲による県道104号越え実弾砲撃演習の県外5演習場(矢臼別、王城寺原、北富士、東富士、日出生台)への移転に伴って5演習場の周辺住宅地を対象に実施されている。
 防衛局の回答ではこれに加え、移転先の演習場だけでなく、県外の他の演習場でも「使用している装備や訓練の状況等から周辺における騒音の影響が同等と考えられる演習場が6カ所存在する」として騒音調査を実施したとしている。その結果、上富良野、然別、岩手山中、饗場野の各演習場と北海道大演習場の5演習場の周辺住宅地も「同等の騒音状況が確認された」として防音工事の対象にしている。
 一方、96年以前まで155ミリりゅう弾砲による県道104号越え実弾砲撃演習が実施されていたキャンプ・ハンセン周辺の住宅では防音工事は実施されていなかった。
 名護市の担当者は「県外では手厚く補助をして、県内で被害を受けているところには調査もしない。二重基準が浮き彫りになっている」と指摘した。



琉球新報