とかしきマラソン中止でも… 諦めきれず島を完走


この記事を書いた人 Avatar photo 宮里 努
島民の協力で本番同様にとかしきマラソンコースを走った東京のチーム「カンロラン部」のメンバー=6日、渡嘉敷村の村道阿波連線

 【渡嘉敷】「第11回とかしきマラソン」に初めてエントリーした東京のチーム「カンロラン部」の宮本緩美さん(41)ら8人が、大会の中止を諦めきれずに当日島に渡り、島民ランナーらの協力で風雨の中、マラソンコースを本番同様に走った。全員が完走を果たして感激に浸った。

 大会は6日に開催される予定だったが、悪天候のために初めて中止となり、エントリーしたランナー(約900人)やボランティア(約100人)、関係者、島民らをがっかりさせた。
 大会参加のため、東京から飛行機で前日に沖縄入りした宮本さんら「カンロラン部」のメンバー8人は、中止にもかかわらず、島に渡って走りたいと那覇市の泊港へ。渡嘉敷行きの高速船は欠航したものの、願いがかない大型フェリーは通常運航し、島を訪れることができた。
 宮本さんら一行は、渡嘉敷島は初めてで、マラソンコースが不明のため役場職員に相談したところ、全面的に協力することになり、島民ランナー3人も一緒にコースを走ることになった。
 一行は、渡嘉敷小中学校発着点の高低差約200メートルと起伏の激しい難コースに挑戦。気温11度、風雨の激しい中、全員が約2時間30分でゴールした。「やったぞ」「バンザーイ」と健闘をたたえ合い、協力した島民に感謝した。
 宮本さんらはその夜、阿波連の居酒屋で島民と交流を深め、来年のエントリーを約束した。翌日は晴天に恵まれ、再度、コースを走った。
 宮本さんは「島民の優しさ、コースの自然の素晴らしさなど、一度走ったら病みつきになる。達成感でいっぱいだ。来年の2月4日が待ち遠しい」と声を弾ませた。
(米田英明通信員)