係争委訴訟で国、高裁に答弁書「関与当たらぬ」


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 名護市辺野古の埋め立て承認取り消しを国土交通相が執行停止決定したことについて、国地方係争処理委員会(係争委)による不服申し出却下を経て、県が同決定の取り消しを求めて今月提起した訴訟で、国は12日、福岡高裁那覇支部に県の訴状に対する答弁書を提出した。国は答弁書で執行停止決定は地方自治体に対する「国の関与」に当たらないとして、訴えは不適法などとして、県の請求を退けるよう求めた。

 国は答弁書で地方自治法の規定で行政不服審査法に基づく執行停止決定は「国の関与」から除外されており、係争委の審査対象にもならないとした。同法では係争委の審査を経て高裁に提訴できるとされているため、その要件を満たさないとして、そもそも訴訟を提起できないと主張した。
 県は訴状で、沖縄防衛局が一般私人にはできない「固有の資格」で埋め立て承認を申請しており「固有の資格」があるため行政不服審査法を用いることはできないと主張していた。
 その主張に対して、国は埋め立ての目的が新基地建設であっても公有水面埋立法では「『固有の資格』の判断に当たり、個別の事業の動機・目的が考慮されるものではない」などとして、「固有の資格」はないと反論した。そのため防衛局は行政不服審査法を用いることができるとして、国交相の執行停止決定は適法と主張した。
 訴訟の第1回口頭弁論は代執行訴訟と同日の15日に高裁那覇支部で開かれる。