平和の心 俳句に 仲井真小 戦、震災学び 感性磨く


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俳句の授業で自身の作品を披露した6年3組の児童ら=5日、那覇市の仲井真小学校

 学校を挙げて俳句学習に取り組む那覇市立仲井真小学校(安里恒男校長、児童622人)の児童は、沖縄戦や東日本大震災を学んだり、俳句を詠んだりすることで平和への感性を磨いている。毎週日曜日に本紙1面で連載中の「平和のうた」にも多くの作品を投句した。昨年12月31日付の初回には、3年の宮良琉里(るり)さん(9)の作品「冬の星みんなのかおをてらしてる」が採用された。安里校長は「戦災や震災を学ぶことで俳句を詠む児童の心に火を付けた」と話している。

 仲井真小は4年前から毎月、全児童から俳句を募集。当初は20句程度の応募だったが、今では300~400句の応募がある。学校周辺地域を巡り情景を詠む学習にも取り組む。安里校長は「俳句学習で言葉の力が身に付いた」と話す。
 同小の児童7人は昨年3月11日、震災で被災した岩手県大船渡市の同市立末崎小を訪れ、追悼のエイサーを披露した。6月には末崎小の熊谷拓郎校長と写真家の村田友裕さんを招き、震災当時の状況や3・11後の生活を学んだ。
 同小は6月23日の「慰霊の日」に道徳の授業で沖縄戦を取り上げた平和学習を行った。
 今月5日、俳句結社「銀化」と「群青」の同人で俳人協会会員の安里琉太(本名・恒佑)さんを授業の講師に招いた。6年3組の児童らは安里さんを驚かせるほどレベルの高い作品を披露したという。
 児童3人は1月に「平和のうた」に応募した。與那嶺翔君(12)は、「春の風時と一緒に流れてく」という句の「春」に希望を込め「風も時も止まらず流れている」ことを表現。「初日の出雲の切れ目の光かな」を詠んだ芳山こころさん(12)はことしの初日の出は雲が多く、隙間から差す陽光が「平和への願い」に見えた。「初日の出照らし出さるる願ひかな」を作った金城達大(たつひろ)君は、元旦の「願い」に向かって「頑張る気持ち」を込めた。(新垣毅)