ひとり親世帯の支援を促進しようと、初めての「ひとり親家庭支援者のための研修会」(主催・県子ども生活福祉部青少年・子ども家庭課)が12日、県庁4階講堂で開かれた。30市町村から担当職員ら約100人が参加し、ひとり親支援の制度改正や新事業について学んだ。
ひとり親世帯の自立に向けて養育費に関する講演も行われ、元家庭裁判所調査官の田島康博氏が「『子どもの権利』と請求側を励まし、粘り強く呼び掛けてほしい」と話した。
養育費相談支援センター福岡ファミリー相談で相談員を務めている田島氏は、養育費について「親の生活に余力がなくても、親自身と同じ水準の生活を子どもに保障しなければならない強い義務だ」と説明。「(ギャンブルや浪費などで)借金があるから払わないというのは許されない」と話した。子どもと離れて暮らしている親が、定期的に子どもに会う「面会交流」の取り決めについても紹介された。
出席した職員からは「養育費を諦めている人にどう対応するべきか」「ドメスティックバイオレンス(DV)加害者から養育費を払う代わりに子どもとの面会を求められる場合がある」などの質問や報告が相次いだ。
DVとの関連で、田島氏は「養育費と面接交流は連動しているわけではない。別々に考えなくてはいけない」などと話した。未婚の母親が養育費を請求する場合、父親の認知が必要なことなども解説された。