本社に文科省特別賞 サイエンスクラブ、子の研究支援


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研究した児童らが成果を報告する新報サイエンスクラブの研究発表会=1月31日、浦添市産業振興センター

 文部科学省は16日、企業の地域貢献活動をたたえる「青少年の体験活動推進企業表彰」で、琉球新報社の主催事業「新報サイエンスクラブ」(一般財団法人沖縄美ら島財団共催)を審査委員会特別賞(中小企業部門)に選んだ。県内企業の受賞は初めて。

 新報サイエンスクラブは2011年度から始めた「科学の芽」を育む事業で、県内の小中学生を対象に沖縄の自然や動植物の調査研究を助成、体験型のプログラムを行っている。2014年の活動が審査された。
 文部科学省生涯学習政策局の担当者によると、「教育的工夫と成果」「本業活用の工夫」「内容・進行管理」などの項目で評価が高かったという。
 最高賞の文部科学大臣賞の大企業部門にはパナソニックの映像制作支援プログラム「キッド・ウィットネス・ニュース(KWN)」、中小企業部門には金沢大地の「コープ農園 大豆・味噌(みそ)づくりコース」が選ばれた。

「気づき」後押し/新報サイエンスクラブ
 新報サイエンスクラブは琉球新報のNIE(教育に新聞を)活動と沖縄美ら島財団総合研究センターの「人材育成・公募研究助成事業」の両方を取り入れ、実施している事業。児童生徒が自然や動植物などに興味を持ち、深められるような「気づき」を促すことが狙いだ。「研究したいこと」や「研究していること」を公募し、審査で研究テーマを決める。毎年度、小学生20件、中学生10件程度(個人、団体を問わない)を選び、助成している。児童生徒が疑問に思ったことに関し、専門家の助言を聞く場も設置。児童生徒は研究の成果を発表会で披露する。
 2011~14年度までに延べ374人の児童生徒が参加した。14年度には、参加した児童の研究がきっかけで、アジア地域では公式記録で初めてとなる「メガマウスザメの化石」の発見につながった。