地域のトラブル、どう解決? 美東小児童ら模擬裁判


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合法、違法に分かれて意見をぶつけ合う児童たち=10日、沖縄市の美東小学校

 【沖縄】「ルールについて考えてみよう」をテーマにした法教育授業が10日、沖縄市の美東小学校で行われた。沖縄弁護士会に所属する弁護士12人が学校に出向き、地域で発生するハプニングに住民がどう向き合い、解決するかを児童たちと共に考えた。児童たちがルールを作り、違反の線引きをどこに引くか、違反した場合のペナルティーについてどう結論するかなど法の在り方を学んだ。

 授業は6学年4クラスで一斉に実施された。想定は街にカラオケボックスができ、その騒音や来店客の起こす各種トラブルをめぐってどういうルールを作り、ハプニングが発生した場合、ルールを当てはめて、どう解決していくかまでを児童が討議した。
 ルール作りを事前に終えた4組ではこの日、37人の児童が発生事案の解決策で討議した。午後8時以降は高校生までは利用できないのに、担任教諭の許可を得て午後10時まで高校生5人が利用したケースが違反するのか否かなどを、ルールに当てはめて模擬裁判まで取り組んだ。
 児童たちが事案に関して違反派と合法派に分かれて、考慮すべき点や情状面などで意見を出し合い、多角的な物の見方を学んだ。喜屋武春萌さんは「弁護士の世界にも興味を持てた」と感想を話し、徳永かなめさんは「ルールを当てはめて問題を解決するのがいかに難しいのかが分かった」と関心を深めた。
 沖縄弁護士会法教育委員会の松尾晋哉弁護士らは「いろんな利益や立場が絡み合っていることを考え、一つの正解があるのではなく、いろんな物の見方があることを知り、相手を尊重しながら意見が言える機会になればと思う」と話した。
 同委員会の仲里豪弁護士はジュニアロースクールなどの弁護士会の取り組みを紹介し、学校での活用を呼び掛けた。