USJ沖縄進出撤回検討 政府姿勢は後退、県は慎重な対応


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 米映画テーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」の運営会社、ユー・エス・ジェイ(大阪市)が、沖縄でのテーマパーク建設について撤回を含み再検討していることについて、菅義偉官房長官は18日「ユー・エス・ジェイからは何もまだ聞いていない。政府として全面的に支援したいという従来方針に変更はない」と述べた。一方、進出撤回の可否について「民間の判断だ」との見解を示し、これまでの推進姿勢からトーンダウンした。

 ユー・エス・ジェイは18日、琉球新報の取材に対し「新しい経営体制になって、今後の計画について検討している状況だ。現時点で公表できる情報はない」と答えた。
 USJ誘致を公約に掲げていた翁長雄志知事は「(ユー・エス・ジェイから)報告などはまだない。オーナーが変わったので話をしてみないと分からない」と述べた。県としてユー・エス・ジェイ側に何らかの対応を求めるかを問われると「今のところまだ、アクションという段階じゃない」と慎重な姿勢を見せた。
 内閣府は、USJの進出を念頭に来年度の沖縄関係予算で経済効果などを検討する調査費1億2400万円を計上している。USJ側から進出撤回の報告がないことから計画通り調査する考え。USJ誘致の状況について情報交換している和泉洋人首相補佐官が3月来県する予定について安慶田光男副知事は「変更はない」とした。
 ユー・エス・ジェイは、本島北部でテーマパーク建設の可能性について調査を進めてきた。昨年7月には、当時のグレン・ガンペルCEOが県庁を訪れ翁長知事に沖縄進出に向けた支援を要請した。その際、東京五輪や那覇空港第2滑走路が供用開始する2020年までの開業という想定を示していた。しかし昨年11月に同社を買収し親会社となった米企業が採算面などから沖縄進出に難色を示した。