3万年前の航海再現、那覇で現地説明会 国立科学博物館


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 日本列島に人類が入ってきたルートの一つと考えられる台湾から与那国島への航海を再現する国立科学博物館「3万年前の航海徹底再現プロジェクト」の現地説明会が21日、那覇市の県立博物館・美術館で開かれた。家族連れなど約60人が出席し、旧石器時代の謎解きのロマンを共有した。

 プロジェクトチーム代表の海部陽介・国立科学博物館人類史研究グループ長が映像を使って学術的実験航海の意義を説明。「研究者だけで実施して結果を報告するのではなく、情報公開しながら楽しさを共有したい」と語った。
 資金造成のクラウドファンディングの協力を訴え、7月に実施する与那国島から西表島への実験航海での漕(こ)ぎ手の参加も呼び掛けた。
 活発に質問が出された。「3万年も前になぜ危険な航海に乗り出したのか」という問いに、海部氏は「プロジェクトをやることで答えが分かると思う」「プロジェクトを通して旧石器人を尊敬するようになるのではないか」などと答えた。
 現地説明会は22日午後7時から石垣市健康福祉センターで、23日午後7時半から竹富町西表島の大富公民館でも開かれる。詳細はhttps://readyfor.jp/projects/koukai