企業4割採用に苦慮 解禁繰り下げ影響 求人おきなわ調査


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 求人おきなわ(那覇市)は24日、2016年春に卒業する大学生の就職活動動向と、採用企業の内定状況に関するアンケート結果を発表した。採用活動が「当初の予定通りに進まなかった」と答えた企業は40・6%に上った。人手不足に伴う学生優位の「売り手市場」に加え、今春卒業予定の大学生の就職活動で企業の活動解禁時期が繰り下げられた影響があり、人材獲得に難渋した企業側の姿が浮かび上がった。

 求人おきなわが運営する就職活動サイトに登録する新規学卒者と既卒者の2751会員、採用情報を掲載する県内企業128社を対象に、昨年12月から2月にウェブアンケートで実施した。学生188人、企業69社から回答を得た。
 経団連は16年春の卒業学生の採用ルールについて、会社説明会の開始を大学3年時の12月から3月、企業による面接など選考活動の解禁時期を4月から8月に遅らせた。
 学生が内定を得た時期は「8~11月」が73・7%と最も多かったが、経団連が設定した面接解禁より前の「4~7月」に内定取得した学生も16・1%を占めた。学生の就活終了時期は「10月」の回答が23・0%で最多だった。一方、企業側では、内定辞退が前年より「若干増えた」が15・9%、「かなり増えた」が14・5%に上り、回答した企業の3割で内定辞退者が増えた。応募状況も「若干減った」(23・2%)「かなり減った」(同)が4割を超え、売り手市場を反映した。
 人材獲得競争が激しくなる中での採用日程繰り下げは、8月よりも前に選考を開始する大企業の“解禁破り”を招くなど、混乱も生じた。アンケートへの企業の自由回答では「募集期間までに応募が少なく期間を延長した」「前年と比較して選考途中の辞退者が増えた」「採用したい人材の囲い込みができなかった」などの声が上がった。