全生徒転校で福嶺中休校へ 宮古島、4月から


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 【宮古島】宮古島市教育委員会は25日までに、同市立福嶺中学校を4月から休校とする方針を固めた。来年度福嶺中の1~3年生になる予定の全生徒7人が市内の別の中学校へ学校変更を申請し、受理した。市教委は2021年までに城辺地区4中学校を1校に統廃合する計画を進めている。地域の生徒数の回復は難しい状況にあり、福嶺中は今回の休校で事実上の廃校となる可能性もある。

 来年度1~3年生になる生徒の保護者らが昨年11月、小規模校では集団への適応性や競争意識育成が難しいなどとして近隣校への転校を求める「嘆願書」を市教委に提出していた。
 市教委は休校にして数年様子を見守る方針。だが今後は1学年1学級を編成する目安となる1学年9人以上の生徒が集まらないと再開しないとしており厳しい情勢だ。
 宮國博教育長は「嘆願書の意向に沿った形で対応した。行政の対応が間に合わず、保護者が転校を求める状況にまで追い込まれたのは胸が痛い」と語った。
 一方、福嶺中に隣接する新城自治会相談役の仲田繁市さん(88)は「学校は地域の中心なだけに、休校はとても残念。人口減少に早く手を打たないと地域は大変なことになる」と危機感を募らせた。
 市教委によると福嶺中は1949年に開校。宮古島市城辺の南東部地域を校区としている。