県内月収16万1575円 「賃金の底上げ順調」


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 求人情報誌ジェイウォームを発行する冒険王(那覇市、佐和田安行社長)は29日までに、県内の職業別の賃金相場などをまとめた。2015年の全業種平均の賃金(月収)は、前年同期比0・7%増の16万1575円だった。

 求人誌に掲載している平均最低賃金(時給)は1・7%増となり、同社は「全体的に賃金は上昇傾向だ。賃金の底上げが順調に進んでいることがうかがえる」と分析した。
 調査は、15年10月から16年1月までに県内で発行された求人3誌の募集広告を基に延べ3880社を対象に実施。求人サンプル数は、2万1040件。
 業種別の賃金(月収)で見ると、16業種中9業種の賃金が上昇した。最も上昇率が大きかったのは、ITコンピューターで7・2%増の19万6974円だった。次いで営業5・6%増、コールセンター5・1%増、理容・美容・エステ5・1%増―などと続いた。調査開始から毎年賃金が上昇しているのは、コールセンターと医療だった。冒険王担当者は「IT関連やコールセンターは一昨年から昨年にかけ、契約社員から正社員登用の動きが多かった。そのため、月給も上がっているのではないか」と推測した。一方、その他7業種で月収が減少。観光で6・4%減の14万5326円となり最も減少率が大きかった。
 集計はデータブック「県内求人誌に見る平均賃金2016」として、1日から県内コンビニや県内各書店で税抜231円で発売する。
 担当者は「求人企業や求人者双方の参考にしてもらい、賃金ベースアップ改善などに役立ててもらいたい」と話した。