県、早急な工事停止目的 辺野古抗告訴訟、あす第1回弁論


この記事を書いた人 志良堂 仁

 翁長雄志知事による普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の埋め立て承認取り消しに対する国土交通相の執行停止決定を取り消すよう求めて県が提訴した抗告訴訟の第1回口頭弁論が4日、那覇地裁で開かれる。県による抗告訴訟提起は辺野古で進む埋め立て工事を早急に停止することが最大の目的だ。

 国交相の執行停止決定の取り消しを求めるという請求の趣旨は2月29日に結審した「係争委不服訴訟」と同様だ。一方、抗告訴訟では判決までの間、暫定的に執行停止決定の効力を止める措置を申し立てており、認められれば工事は停止する。
 県は、係争委不服訴訟と同様に、沖縄防衛局が一般私人と同様の立場ではない「固有の資格」で辺野古埋め立て承認を申請したと主張し、私人の権利利益の救済を目的とした行政不服審査法を用いることはできないと主張する。そのため同法に基づく執行停止申し立ては不適法で、申し立てを認めた国交相の決定は違法だとの論理を展開する。
 国民の権利保護のための制度である抗告訴訟を行政機関の県が提起できるのかについては否定的な見解もある。県は訴状で、工事進行により環境面などにおいて憲法で保障された自治権が侵害されるなどとして、提訴する資格があると主張している。
 4日には、辺野古周辺住民21人が執行停止決定の取り消しを求めて提起した抗告訴訟の第1回口頭弁論も那覇地裁で開かれる。