「辺野古移設断念まで心を一つに」 シュワブゲート前に市民ら80人余


この記事を書いた人 謝花 稔
国と県の和解から一夜明け、安堵の表情を見せながらも今後の団結を新たにする市民ら=5日午前8時ごろ、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前

【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設をめぐる国と県との代執行訴訟で、工事中断を含む和解成立から一夜明けた5日、市民らは早朝から米軍キャンプ・シュワブのゲート前に集まり、ゲート前での座り込みや集会を続けた。集まった80人余りは工事関係車両の進入や機動隊による市民排除のない穏やかな朝に、今後の団結に向けて気持ちを新たにし、「政府に屈しないぞ。辺野古移設断念まで心を一つにして戦おう」と声を上げた。

 この日は海底ボーリング調査など新基地建設に向けた作業を行う大浦湾海上でも、沖縄防衛局の警戒船は1隻もなく作業する様子はなかった。市民らは抗議船1隻を出し監視行動を継続。「浮具や油防止膜など海の設置した資材や機材をはじめ、クレーン船や作業船などすべてを早急に撤去するべきだ」と指摘した。
 ゲート前でも集会のあいさつの中では、工事実行に警戒する声が続いた。「政府はこれまでも工事を強行した。基地内への車両搬入を阻止しよう」と行動継続の重要性が訴えられ「ゲート前の鉄柵や金網などすべて撤去させよう。県警署員や民間警備員もゲート前にはいらない」などと力を込めた。
 ゲート前には午前10時すぎ、稲嶺進名護市長も訪れ、市民らとともに1時間ほど座り込んだ。稲嶺市長は「和解案で歩み寄ったが先行きはまだ不明だ。気を緩めることなく行動していこう」とあいさつ。慎重な姿勢は崩さなかったが「早朝から日々抗議行動している現場の市民が、少しは穏やかな朝が迎えられると思う。心身とも厳しい毎日を繰り返している市民に心を痛めていた。まずは止めることができて良かった」と工事中断にほっとした表情をみせた。
英文へ→Protesters vow to pressure Japanese government to give up Henoko relocation