居場所づくり「連携を」 子どもシェルターおきなわ設立シンポ


この記事を書いた人 Avatar photo 瀬底 正志郎
「居場所のない子どもに必要な支援とは」をテーマにパネル討論した登壇者ら=6日、那覇市の沖縄県男女共同参画センターてぃるる

 虐待や貧困などで安心して暮らせない子どもの緊急避難先「子どもシェルターおきなわ」(理事長、横江崇弁護士)の設立記念シンポジウムが6日、那覇市の県男女共同参画センターてぃるるで開かれた。居場所を失った子どもたちに寄り添い、弁護士や施設職員、医師らが緊密に連携しながら子どもたちの自立を支える態勢づくりを目指すことを確認した。

 東京に全国初の子どもシェルターを立ち上げた「社会福祉法人カリヨン子どもセンター」の理事長、坪井節子弁護士は基調講演で「守るべき子どもたちを各機関のはざまに落とさないよう、子どもシェルターや児童相談所など複数の機関がしっかりとスクラムを組むことが大切だ」と指摘した。
 「居場所のない子どもに必要な支援とは」をテーマにしたパネル討論では、中央児童相談所の上原裕所長が「児童相談所が対応できない18歳を超える子どもたちにも安心に暮らせる環境が必要だ」と指摘。10年ほど前にカリヨン子どもセンターのシェルターに保護された女性は「どうせ見捨てられると思っていたが、シェルターの大人たちは私がどんな問題を起こしてもそばにいてくれた。その経験が生きる支えになっている」と語った。
 子どもシェルターおきなわの副理事長を務める松本啓太弁護士は「シェルターを出た後の子どもたちをどう支援していくのかという課題もある。多くの人に子どもの問題に関心を持ってもらい、子どもの支援に必要なことを一緒に考えてほしい」と呼び掛けた。