核持ち込み密約、誤解で戦争誘発 米NGO・カラキ氏指摘


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県内の米軍基地視察の感想を報告するグレゴリー・カラキ氏=3日午後、県庁

 米軍基地視察のために来沖した米国のNGO「憂慮する科学者同盟」で中国と核問題を専門とするグレゴリー・カラキ上級アナリストが3日、県庁で記者会見した。カラキ氏は日本返還前の沖縄に核兵器が貯蔵されていたことや、返還に際して日米が有事の核持ち込みで密約を交わしたことから、沖縄に核兵器が持ち込まれる可能性を指摘した。「有事」の定義があいまいなことから、国際関係が悪化した時に沖縄に核兵器があるとの疑念を呼び「誤解による核戦争」を招く危険を指摘した。

 カラキ氏は中国が核攻撃に対する反撃を基本戦略としていることから、核弾頭とミサイルは別々に保管しており、即時発射可能な「警戒態勢」に置かれている核兵器はないと説明。「中国のミサイルが増えるより、警戒態勢に関する政策が変わる方が深刻だ」と指摘した。核戦争の抑止には「日本は米国に対し、核の先制攻撃はしないと確約させることが重要だ」と強調した。