キングス5連勝 TKbjリーグ第38戦


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キングス―高松 第1クオーター、インサイドに切れ込んでパスをさばく岸本隆一=6日、沖縄市体育館(屋嘉部長将撮影)

 プロバスケットボールTKbjリーグの琉球ゴールデンキングス(西地区3位=27勝10敗)は6日、沖縄市体育館で高松ファイブアローズ(同11位=9勝28敗)と第2戦(今季第38戦)を行い、延長戦の末に106―97で勝利、連勝を5に伸ばした。前半は一進一退の攻防が続き、43―40とわずかにリードして終えた。後半は高松の勢いに押される時間が目立ち、残り1分を切って追い掛ける展開になった。それでも岸本隆一の得点で追い付くと、延長戦で一気に引き離した。キングスは12、13の両日、奈良県の大和郡山市総合公園体育館でバンビシャス奈良と2連戦を行う。(観客3430人)

琉球ゴールデンキングス(28勝10敗)
106―97(27―18,16―22,22―21,25―29,延長16―7)
高松ファイブアローズ(9勝29敗)

 【評】キングスが土壇場で追い付いて、粘る高松を振り切った。前半から両チームがアップテンポな攻撃を見せて、クロスゲームを繰り広げた。第4Q残り1分を切って高松がリードしていたが、キングスは岸本がフリースローを沈めて追い付いた。延長戦はキングスが好機で得点する一方で、高松は思うような攻撃を展開できなかった。
(平安太一)

◆大きな1勝だ
 伊佐勉監督(キングス)の話 最後はうちの方が勝ちたい気持ちを強く出せた。今までなら崩れて相手にのまれているパターンだった。課題はまだまだ残されているが、ここで1勝をもぎ取れたことは大きかった。次回の高松戦もタフなゲームになるはずなので、しっかり準備する。

◆選手ら褒めたい
 津田洋道HC(高松)の話 延長まで戦って(選手の)ターンオーバーが1桁で終わったのは最近ではないことだ。勝利には結び付かなかったけど、選手たちを褒めてやりたい。いい経験になったので、これを機会に残り試合は一つも落とさない気持ちで行く。

◆岸本、冷静さ失わず
 岸本隆一には一つの読みがあった。試合時間が残り10秒を切ってビハインドは3点。キングスのスローインで試合が動きだしたとき、「相手はファウルで止めてくると思った」。3ポイントラインの近くでシュートを放ったとき、予想通りファウルを受けた。3本のフリースローが岸本に与えられると、その全てを沈めて高松を延長戦に引きずり込んだ。
 第1クオーター(Q)で9点のリードを奪っても第2Qから得点が伸び悩み、第4Qには10点近くまで広げたリードを守れなかった。思い通りに行かない試合だったが、岸本は「熱くならずに状況を冷静に見ていた」。残り約1分で逆転を許したものの、ファウルゲームで粘ってフリースロー獲得につなげた。
 岸本が「内容は良くない」と言うように、ターンオーバーは18で失点は97と課題は山積している。ただ、敗戦もちらついていた状況をはねのけて勝利を引き寄せたことは、「チームにとってプラスになった」(岸本)。シーズン終盤戦で負けられない戦いが続く。
 岸本が「もっと良くなる」と感じているチームが躍進することを、多くのファンが望んでいる。(平安太一)