海際の学校、どう避難? 関心高まる災害の備え


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4月に開校する大宜味小学校の校舎からの避難経路として階段の建設が予定される高台=10日午後、大宜味村の「結の浜」

 【大宜味】海に近い県内の学校でも地震や津波への備えに関心が高まっている。大宜味村では村内4小学校が統合する新設校が埋め立て地「結の浜」で4月に開校する。村教育委員会が2月に開いた説明会では高台へ避難する経路や時間設定に保護者らから「子どもたちが集合するまでの時間も計算に入れてほしい」「車での避難を想定するのは危険だ」などの意見が出た。村教委は住民の声も踏まえ、避難経路の確保や避難訓練を進める方針だ。

 村教委は、国道58号を隔てた高台へ避難場所を設定。経路として北側に104メートル(245段)、南側に97・97メートル(202段)の階段を建設する予定だ。階段を使えば津波到達前に全員が避難できると試算している。
 一方、保護者からは避難経路の階段に車いすも上れるスロープの設置や校舎と高台をつなぐ高架橋の設置を求める声も出た。住民から「防災訓練を増やし、地域と学校が連携する必要がある」との指摘もあった。
 宮城県で震災を経験した後、大宜味村に移住した木村久美さん(41)は「(試算は)あくまでも目安だ。避難ルートは一つではなく、幾つも考えておいた方が良い」などと提言した。