地域

震災時民泊、5年後3・11に再会 「伊江は第二の実家」

比嘉夫妻(中央)と再会を喜ぶ植田千成美さん(左)、駒井萌さん(右端)、鈴木詩央里さん=11日、ホテルYYYクラブイエリゾート

 【伊江】東日本大震災が発生した2011年3月11日、修学旅行の「日帰り民家体験」で伊江村を訪れた東京都出身の植田千成美さん(22)、駒井萌さん(22)、鈴木詩央里さん(22)の3人が、震災から丸5年の11日、当時の受け入れ民家だった比嘉正矩さん・ナエ子さん夫妻を訪ねて再会した。「伊江島は人生の原点」と固い握手を交わし、4月から社会人としてそれぞれの道を歩む新たな出発を報告した。

 震災当時、3人は東京都立駒場高校の2年生。希望者20人と教職員は日帰りの予定で来島した。しかし、津波警報が発令されフェリーが欠航。離村できず、受け入れ民家宅で2泊を過ごした。
 着替えもない、家族に連絡が取れないという突然の事態。3人は「見ず知らずの私たちを、まるで自分の子どものように温かく迎えてくれた」と当時の心境を語り、「伊江島は第二の実家」と思いを込める。
 約2年半前に、伊江小学校でボランティア学習支援員を経験した植田さんは小学校の先生になる。「『人の縁を大事にすること、人ってすてきだよ』ということを伝えていきたい。『人』に対する思いの原点は伊江島にある」と思いを込める。
 島の人の温かさを感じたことをきっかけに、街づくりに関心を持った駒井さんは東京都庁に就職。「街をつくるのは『人』。島の体験で視野が広がった。防災関係や東京オリンピックにも関わりたい」と意欲を語る。
 IT企業に就職した鈴木さんは「民泊体験で『人』に対する価値観が変わった。家族以外で初めて無償の愛を感じた」と話す。
 当時同じグループだった森美華さん(22)はアメリカの大学に通い、「何年たっても、島の人の温かさが忘れられない」と比嘉さんにメールで思いを寄せた。
 比嘉さん夫妻は門出を見守り、4人はそろって再来島することを約束した。
(中川廣江通信員)