LGBT人権擁護 議員7割「施策必要」


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
LGBTおよびジェンダーに関する政策調査結果を説明するレインボーアライアンス沖縄共同代表の砂川秀樹さんと宮城由香さん=11日、那覇市銘苅のなは女性センター

 LGBTの当事者らでつくるレインボーアライアンス沖縄による県議、市町村議員を対象にしたアンケートで、議員の73・1%が、LGBTの人権を守るために「積極的な啓発や施策が必要だ」と考えており、LGBTに対する理解が浸透しつつあることが17日までに分かった。一方で同沖縄共同代表の砂川秀樹さんは「啓発や施策が必要」を選択しなかった議員が約26%に上った点に着目し、「LGBTは人権と関わるテーマ。その理解を広める必要性を感じた」と見解を述べた。

 11日、砂川さんと同じ共同代表の宮城由香さんが那覇市銘苅のなは女性センターで会見し、調査結果を説明した。
 砂川さんは「LGBTや同性愛に関することが、人権にはそぐわないと考えている人が多い。また、性同一性障害は『障がいで致し方ない』というイメージが強く、同性愛は『趣味・趣向』という考え方が強いと思う」と指摘し、LGBTを取り巻く課題を粘り強く伝えていく必要性を説いた。
 LGBTはレズビアン、ゲイ、バイセクシャル、性同一性障害(トランスジェンダー)を示す。調査は議員にLGBTやジェンダーに対する考え方を聞き、有権者の判断材料にしてほしいと実施。県議と全市町村議計691人に議会事務局を通して質問票を送り、119人から回答を得た。今回は昨年11月からことし3月10日までの回収分を分析。原則記名としたが無記名が4人いた。回収率は17・2%。回答は今月末まで受け付けている。
 同性カップルの公的保障への見解は「婚姻制度を適用すべき」と「結婚の代替となるパートナー制度をつくるべきだ」のいずれかか両方選んだ議員が77・3%を占め、同性パートナーシップへの理解者が増えつつある現状が浮き彫りになった。同性カップルを結婚相当の関係と認める「パートナーシップ証明書」の交付に関して「実現のために動いてもいい」(34・5%)、「進める人がいたら支持したい」(44・5%)の回答があり、合わせて約8割が肯定的な回答を寄せた。
 一方、未記入は10・9%、「支持しない」は4・2%あった。関連する自由記述は「証明書などは重要ではなく、本人同士の意思が大切」など交付に慎重な考え方も一部あった。
 那覇市の「性の多様性を尊重する都市・なは宣言」を「支持する」との回答は85・7%に上り、肯定的な受け止めが大半だった。