入所者94% 飲酒経験 所長「非行の入り口」警鐘 那覇鑑別所アンケート


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 2015年に那覇少年鑑別所に入所した非行少年のうち、94・7%の少年少女に飲酒経験があることが18日、分かった。飲酒開始の平均年齢は13・2歳で習慣化は14・6歳。中学1年で飲酒を始め、中2ごろには習慣化していることになる。26・9%の少年が飲酒状態での非行歴があり、中には女性を暴行したり、覚せい剤を使用したりした少年もいた。神門一途所長は「飲酒は不良行為の入り口となっている」と飲酒と非行の因果関係を指摘した。

 那覇少年鑑別所は15年に入所した200人(男子186人、女子14人)に飲酒に関するアンケートを初めて実施し、169人(回答率84・5%)から回答を得た。
 飲酒のきっかけは「興味があって」が37・5%で最も多く、次いで「友達に誘われて」が36・2%だった。飲酒頻度は「月1~2回」が最多の35・6%で、「月1回以下」が26・9%。飲酒した状態の非行歴がある少年の半数近くは週1回以上の飲酒習慣があった。
 飲酒場所(複数回答)として「公園、海(野外)」を挙げたのは79人。次いで「居酒屋・バー」は75人で、飲酒経験のある少年の半数近くが利用していた。
 家族の中に飲酒している人がいるかについては81・3%が「いる」と回答した。親の反応については22・5%が「許していない」としているが、13・8%は「許している」とした。61・3%が断酒を考えたことがあると回答した。
 自由記述欄には「いつもよりテンションが上がるから良い」(14歳少年)「異性と飲むとベタベタしてくるし気持ち悪いから飲みたくない」(14歳少女)などと意見があった。
 神門所長は「沖縄は飲酒での非行が他道府県より突出している印象だ。断酒したい子もいるが、不良行為を優先してやめられない。所内での教育を通じて少年の飲酒に歯止めをかけたい」と話した。(梅田正覚)