那覇軍港跡利用、空港連動で活性化 フォーラムで提言


この記事を書いた人 志良堂 仁
返還後の那覇軍港跡地利用について研究者や関係者らが提言したフォーラム=19日、那覇市小禄の沖縄産業支援センター

 那覇軍港返還後の跡地利用について考える「那覇軍港まちづくりフォーラム」(那覇市主催)が19日、市小禄の沖縄産業支援センターで開かれた。「2028年度またはその後」に返還予定の同軍港跡地について、研究者や地権者代表らが活用策を提言。今後もフォーラムなどを開催し、行政・地権者・市民が連携してまちづくりに取り組んでいく必要性を確認した。

 那覇軍港の返還計画について日米両政府は13年4月、浦添ふ頭への移設を前提に「28年度またはその後」とすることで合意。市は現在を、跡地利用方針などの策定を前にした地権者や市民の機運醸成を推進する時期と位置付けている。
 市民や地権者ら約180人が参加。パネルディスカッションでは琉球大学の下地芳郎教授、那覇軍用地等地主会の我那覇祥義会長、「那覇軍港のまちづくりを考える次世代の会」の上原政宏さん、県企画部の下地正之参事、城間幹子那覇市長がパネリストを務めた。
 下地教授は「那覇空港との近接性を考えると、俯瞰(ふかん)して空港、港、内陸エリアとして考えるべき。また歴史的な視点、戦後失われた景観の復活なども重要だ」と指摘した。我那覇会長は「軍港返還で県経済は大きく開かれる」と強調した上で、MICE(企業の報奨旅行や国際会議など)施設や大企業誘致の必要性を訴えた。
 返還軍用地の跡地利用事業に携わってきた下地参事は「地域の特性を踏まえて県全体の発展における役割を考えるべき」と提言。上原さんは「他市町村の計画と重複しないよう連携し、地主会を補完しながらまちづくりに取り組みたい」、城間市長は「さまざまなアイデアを調整していきたい」と述べた。