辺野古和解協議、作業部会設置へ 県と国協議会


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 【東京】翁長雄志知事ら県側と菅義偉官房長官ら政府の関係閣僚が沖縄の基地負担軽減や振興策などを話し合う「政府・沖縄県協議会」の第2回会合が23日、首相官邸で開かれ、米軍普天間飛行場の辺野古移設をめぐる代執行訴訟の和解に基づく協議について、同協議会の下に新たに作業部会を設置し、具体的な議論を進めることが決まった。翁長知事は「辺野古が唯一の解決策というかたくなな固定観念に縛られず、真摯(しんし)に協議を進めてほしい」と求めた。

 菅官房長官は協議会後の記者会見で「普天間飛行場の危険除去、固定化を避けるためには唯一の解決策だ。このことは変わらない」と強調し、辺野古移設の方針を堅持すると明言した。和解成立後、初めてとなる協議の場で県と国の主張は擦れ違った形だ。
 今後の作業部会には県側から安慶田光男副知事、知事公室長、国側から杉田和博官房副長官、法務省訟務局長が出席する。和解条項の解釈や名護市辺野古新基地建設にかかる工事の中断について協議が進む見通し。県側は議事録の作成と公開、4月初旬にも開催して議論を進めることを求めた。
 2019年2月までの普天間飛行場の運用停止(5年以内運用停止)をめぐり、菅官房長官は「普天間飛行場の辺野古移設が前提であり、協力していただきたい」などと述べ、県に対して辺野古移設容認が前提だとの立場を示した。これに対し、翁長知事は「(仲井真弘多)前知事が要請した時点で辺野古移設には10年かかることは分かっていた」などと述べた上で「辺野古(移設)と直結しないと進められないのはおかしい」と指摘し、5年以内運用停止を辺野古移設の進捗(しんちょく)と切り離して実現することを求めた。
 北部訓練場の一部返還に向けて、国側は反対する市民らが車両を駐車して、東村高江のヘリパッド建設工事を妨害しているとして「県道上の違法車両の排除に協力を願いたい」などと県側に求めた。これに対して翁長知事は文書による指導を進める方針を伝えたが、「オスプレイは高江のヘリパッドで予定されている機種ではなかった」と指摘し、オスプレイでの環境影響評価を経ていないことを問題視した。