那覇空港埋め立て、採石地に特定外来種 ハイイロゴケグモ


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 那覇空港の第2滑走路建設に向け、沖縄総合事務局が埋め立て石材を採取する奄美大島の採石場周辺で、特定外来生物のハイイロゴケグモが見つかったことが24日、分かった。沖縄総合事務局の調査では確認されていなかったが、県が専門家による現地調査で確認した。同事業は特定外来生物の侵入を防ぐため昨年11月に施行された県条例の適用第1号のため、県は侵入防止策を照会している。

 条例は許可制ではなく届け出制のため、県の意向にかかわらず25日から石材搬入が可能になるが、沖縄総合事務局は25日時点での搬入をしない意向を県に伝えている。
 石材は奄美大島の3地域から最大25万立方メートルを船で搬入する。期間は25日から7月31日。ハイイロゴケグモは県によると奄美大島で既に定着しており、県内では侵入事例が確認されているが定着していない。
 沖縄総合事務局が示している防除策は石材を採石場で切り出した後、トラックに積んだ状態で上から水をかけて洗う。港での積み替え時は鉄板を敷いた区画に石材を置き、地面との接触を避ける。外来種混入の有無は目視で確認する。
 ただ特定外来生物が実際に確認されたことから、県はトラックでの運搬時や船への積み替え時に混入をどう防ぐか、具体策を示すよう求めている。
 石材は沖縄では陸揚げせず、クレーン船で直接埋め立て海域に投入されることから、県は「侵入の蓋然(がいぜん)性は低いと考えられるが、海域であっても県内に外来種を持ち込まないことが大前提だ。石材搬出前に再び現地調査するなど、入念に確認したい」としている。
(宮城隆尋)