東燃、来月から県内石油供給 南西とタンク契約


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 瀬底 正志郎

 石油元売り大手の東燃ゼネラル石油(東京)は4月1日以降、3月31日で石油製品の販売を終了する南西石油(西原町、リンコン・シオジロ・イシカワ社長)に代わって、県内での石油製品の供給を担うことが分かった。これまで南西石油から石油製品を購入し、県内で給油所を運営してきた国内元売りと商社が、沖縄の石油安定供給を図る枠組みで合意していた。南西石油がこれまで担ってきた約6割の石油の供給は当面確保される見通しだ。

 東燃ゼネラルは本土から石油製品を運び、南西石油のタンクを借りて備蓄、出荷する。南西石油と東燃ゼネラルはすでに、4月1日以降のタンクのターミナル契約を交わした。
 東燃ゼネラルは29日、琉球新報の取材に対し「今後も沖縄県内での石油の安定供給に尽力していく」と話している。
 一方、これまで元売り大手と取引のなかった個別事業者は、新たに元売りと取引するかどうかの対応を迫られそうだ。
 関係者は「JXエネルギーや昭和シェル石油など、県内で給油所を持つ大手元売り同士で県内の必要量を勘案し4月以降の供給量を計画していた。元売り系列の供給は問題ないと思っているが、南西石油と直接取引をしていた事業者は頭を抱えている状態だ」と話す。
 東燃ゼネラルはもともと南西石油の親会社で、08年にブラジルの国営石油会社ペトロブラスが東燃ゼネラルから87.5%の株式を取得、11年に残りの株式を住友商事から取得し、ペトロブラス社が完全子会社化した。
 南西石油は3月31日で全ての石油製品の販売を終了し、4月1日以降は、タンクのターミナル事業に専念する。(阪口彩子)