沖縄戦訴訟 原告が控訴


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 沖縄戦民間被害に対する国の謝罪と損害賠償の請求を棄却した16日の那覇地裁判決を不服として、「沖縄戦被害国家賠償訴訟」の原告(野里千恵子団長)66人は29日、福岡高裁那覇支部に控訴した。

 控訴後の会見で瑞慶山茂弁護団長は一審判決について「被害事実を骨組みだけ認定した印象だ。心的外傷後ストレス障害(PTSD)など精神的被害については検討すらしておらず、凄惨(せいさん)な被害全体を捉えていないという欠陥がある」と批判した。
 控訴審では精神科医の診察を促すなどして、沖縄戦を原因とする外傷性精神障害の被害立証をさらに行う方針だという。
 一審の原告は79人だったが、死亡したり控訴に必要な印紙代の捻出が困難だったりするなどの理由で66人が控訴した。