在宅医療 沖縄は最下位 診療所、19%止まり 厚労省調べ


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 県内874の診療所のうち、何らかの在宅医療サービスを実施しているのは168施設と全診療所の19・2%にすぎず、全国最下位となっていることが厚生労働省の調査などで分かった。病院は94施設中、52施設(55・3%)が在宅医療サービスを実施しており、全国44位となっている。団塊の世代が全員75歳以上の後期高齢者となる2025年に向けて国は慢性期の患者の地域移行、在宅医療を推進しているが、受け皿が未整備であることがあらためて浮き彫りとなった。

 在宅医療サービスを実施している診療所の1カ月当たりの実施件数は、訪問診療が51・4件で全国9位、往診も9・9件で全国8位と多くなっている。県内の実態は3月17日に県庁であった第6回地域医療構想検討会議で県が報告した。
 65歳以上の人口10万人当たりの訪問看護事業所数は33・7施設で全国12位と多いが、訪問看護を受けている人の数は全国で2番目に少なかった。県は「県民所得から訪問看護は高くて使えない人が多いことや、訪問看護師が不足していることなどが要因ではないか」とみている。
 一方、療養病床に入院している医療度の低い患者について県内2施設に聞き取った調査では、患者の多くが必ずしも入院継続が必要ではなく、医療面以外の条件を調整すれば退院可能だったことなどが示された。
 県は「症状が軽い人は必ずしも医療は必要ではない。地域包括ケアで生活の場を整備しながら在宅の受け皿をつくっていく必要がある」としている。